高温の環境で快適に過ごすことができるのが空調服の魅力ですが、その一方で作業服としての安全性にも気を配る必要があります。特に高所作業に従事する場合、ハーネスに対応している作りであることが絶対条件です。外気の温度を遮断しながら安全に作業ができる空調服を選ぶことが効率的な仕事を行うための秘訣と言えます。

ハーネス対応型の空調服の選び方や取り扱い方法について学びましょう。


高所での作業に不可欠なハーネスについて

ハーネスは安全帯とも呼ばれ、命綱に繋がっている専用のベルトのことです。古くは命綱を体に直接巻き付けていましたが、この方法では命綱にかかる圧力が直接体に伝わるので危険でした。ハーネスは命綱を金具によって専用のベルトに繋げる仕組みなので、万が一落下しても圧力がベルトに分散されます。

そのため、宙吊りの状態になった時も体にかかる圧力が大きく軽減されるので安全性に富んでいると言えるでしょう。

特にフルハーネス型と呼ばれる物は腰以外に太ももや肩にも専用のベルトを通すので、宙吊りになった際の圧力をさらに分散できるようになっています。

体へのダメージを大幅に減らすことができるフルハーネスは高所作業の必需品とされ、建築現場の作業員に愛用されています。その一方でフルハーネスは体に密着させて使う物なので、衣服の内側に空気の層を作る空調服との併用はできないとされていました。

フルハーネスのベルトが体を締め付け、それによって空気の流れが遮られるためです。しかし、デザインの工夫によって空気の流れを妨げない、安全と快適さを両立させた空調服が開発されました。そのため、高所でも気温の高さを気にせずに作業に従事することが可能になったと言えます。

フルハーネスに対応している空調服の構造

フルハーネス対応の空調服は専用ベルトを通すための穴が設けられているので生地が摩擦で傷む心配がありません。また、空気の通り道が別々になっているのも大きな特徴です。風力を保つために複数のファンが取り付けられているので一般的な空調服よりもやや重たい欠点はありますが、厚い空気の層を形成できるので遮熱効果の高さを期待できます。

ファンを覆う形でネットを張ることができるので、作業中に誤ってファンを落とす心配もありません。気持ち良さと安全性を両立させているので、高所作業に限らず様々な環境で愛用することも可能と言えるでしょう。

ベスト型の空調服が高所作業に適している理由

ベストは両袖が無い作りの上着で、着用すると肩から先がむき出しの状態になります。素肌を露出させると怪我をするおそれがあるので、作業現場では長袖の肌着を着たうえでベストを着用するのが普通です。高所作業でも例外ではありませんが、ベストは袖が無い分、引っかかりや巻き込みのリスクが少ない利点もあります。

足場が不安定な高所作業ではわずかなミスが体のバランスを崩し、重大な事故に繋がることも少なくありません。少しでも事故のリスクを減らすため、袖が無いベストが多用される傾向にあります。空調服も例外ではなく、袖無しのベスト型は胸部や腹部を外気の高温から守るのに適した安全な衣類と高く評価されています。

フルハーネスは腰や太もも、肩にベルトをかけるのでそれぞれの部分の生地を補強する必要があります。ベスト型の空調服の場合、両方の肩の部分がベルトで擦れてしまうので購入の際は補強の有無を確認しなければいけません。

高所作業用の空調服なら肩パッドが使われているので、生地の摩耗をある程度は防ぐことができます。また、肩パッドでベルトを支える形になるので体への負担が少なく、ベルトが食い込む心配もありません。

サイズ合わせは体に丁度良い物を選ぶ

一般的に空調服は空気の層を作るためにややサイズが大きい物を選ぶのが良いとされています。しかし、高所作業用の空調服は自分の体に丁度良いサイズを選ばなければいけません。大きいサイズの空調服を着ると生地が余った状態になり、突起物などに引っかかるおそれがあります。

バランスを崩して転倒する可能性もあるので、空調服のサイズ合わせは慎重に行うことを忘れてはいけません。また、サイズが小さ過ぎても体の動きを阻害するので良くありません。高所作業用の空調服は体に丁度良いサイズでも空気の層が形成されやすい構造になっているので、購入の際は普段着と同じ感覚で選ぶことを心がけます。

フルハーネス対応の空調服はベルトを通した際の着心地を踏まえた構造になっているので、ベルトの使用を理由にしたサイズの変更は必要ありません。しかし、表記サイズと実寸にわずかな違いが生じているケースがあるので必ず試着を行い、着心地を確認するのが安全な高所作業を行うための心得になります。

フルハーネス対応の空調服を洗濯する方法

空調服は一般的な作業服と同様、家庭用の洗濯機で洗うことができます。フルハーネス対応型の空調服もベルトの通し穴が付いているだけなので基本的な扱い方は変わりません。しかし、生地の材質によっては洗濯によって縮んでしまう可能性もあります。

また、深いシワができてしまうとファンの取り付け部分にすき間が生じることがあるので、洗った後は形を綺麗に整えてから風通しが良い日陰で自然乾燥させるのが最適な方法です。日光に当てると生地が日焼けして色が落ちるおそれがあるので避けるのが無難と言えるでしょう。

乾燥機も高温の熱風で生地が傷む可能性が否定できません。愛用の一着を長持ちさせるためには洗った後のお手入れが非常に重要と言えます。ベスト型の空調服は袖が無いので他の衣類と絡まりにくく、型崩れやシワも生じにくいのが利点です。

空調服の中でも扱いやすいデザインと言えますが、洗濯後のお手入れに気を配る必要がある点は他のデザインと変わりません。乾くまでの時間は比較的早いものの、生地の材質や厚さで変わることも併せて注意します。洗濯機では落ちないほどのしつこい汚れが付着した場合は強力な洗剤を汚れている部分に塗布して手もみで洗い、ある程度の時間をかけてつけ置きします。

洗剤の成分がゆっくりと生地の繊維に浸透するので、しつこい汚れでも綺麗に取り除くことが可能です。

安全な高所作業に最適なベスト型の空調服

フルハーネス対応の空調服はベルトによって空気の流れが阻害されない作りになっているので、炎天下での高所作業にぴったりです。

ベスト型の空調服なら袖が無いので突起物などに引っかかるリスクが少ないと言えます。フルハーネスに対応しているベスト型の空調服は高所作業にもっとも適した作業服と言っても過言ではありません。